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接遇はテクでもあり心でもある。

4月に入って、前回は接遇について、お客様のためではなく、自分のためのものだと述べました。


接遇について、もう少し語らせてください。

「窓口や電話で接する市民の方を、民間のように「お客様」という気持ちで、懇切丁寧に接しましょう」


接遇の研修やマニュアルなどで言われる常套句で、正直ヘドが出ます。


「お客様は神様です」ってか?んなこと言ってっから、無理難題ふっかけてくるクレーマーにも「申し訳ありません」くらいしか言えないんだ。


いやむしろ、こういう紋切型のことを平気で言うヤツは、実際あまりガチで接客したことないんじゃないか、とさえ思えてきます。人事課だかの管理部門で、市民と接することもないヤツだからこそ、こんな空々しいことが言えるんじゃないかと思います。


だいぶ鼻息が荒くなりましたが、窓口で市民と丁々発止のやりとりを重ねてきた自分の経験から言えるのは、


接遇というのは、互いに気持ちよく接するための技術(テクニック)だ、ということです。


ある手続きをしなければならず、緊張しながらも、めったに来ない市役所にせっかくやってきたところへ、窓口の対応が悪かったら、文句の一つも言いたくなりますよね。対応が悪いというだけでなく、「なぜこの手続きが必要なんだ」とか「どうして日曜にやってないんだ」とか、もともと言うつもりのなかったことまで、勢い言ってしまいそうですね。当然、それを受ける職員だっていい気持ちのわけがありません。お互い、やーな気分になってしまいます。


反対に、せっかくやって来た市役所の窓口で、案外応対が良かったりしたら、「このごろの役所は随分と良くなったもんだ」と、来庁者も思わずほめ言葉をかけたくなるかもしれませんし、そうすれば当然、それを受ける職員だって悪い気はしません。「今後もより良い対応を心がけよう」って、好循環になりますね。


接遇ってそういうもんだと思っています。つまり、互いに気持ちよく接するための技術。そして職員が自分を守るための技術(これは別に触れます)。


しかし、技術とはいえ、全く「ココロ」がかよっていないと、かえってムカつかれるおそれがあります。


例えば、クレームを受けたときに「申し訳ございません。伺ったことは貴重なご意見として今後の市政に反映させますので、ご容赦ください」しか言わないような対応。「決まり文句言ってるだけじゃん」ってムカつきますよね。


私は精神論はキライですが、この接遇に関しては、精神論者です。


お詫びをするにも、事務上のミスなど、本当に自分たちの側に詫びるべきところがあるのであれば、本当に相手の立場にたって「ご迷惑がかかりました」とお詫びする気持ちを持つのと持たないのとでは、同じ「申し訳ございません」でも、伝わり方が異なってくると思います。ここは決して、技術だけで気持ちが入っていないではダメです。気持ちを入れることまで含めて技術です。


確かに、正直自分たちに落ち度を感じないのに、相手がギャーギャー言っているので、「申し訳ございません」と言わざるをえない場面もあります。こんなときは、気持ちにウソついても仕方がないので、無理して本当に申し訳なさそうにしなくてもいいでしょう。


場合によっては、正直に「当方に落ち度はない」と正々堂々と言い切ることも必要かと思います。悪いと思っていないのに「こちらが悪いです」と心にもないことを言うことの方が、誠実でないと思います。

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